山添 拓 参議院議員/弁護士 東京選挙区候補 日本共産党

国会報告

2022年・第208通常国会

資源エネルギー調査会で、気候危機、再エネ、省エネ、モビリティーの転換などについて参考人質疑を行いました。

○参考人(石川和男君) 本日はお招きいただきまして、誠にありがとうございます。
私、この資料ですね、薄い資料でございますが、私の名前の、用意させていただきましたので、この資料に沿いまして私の意見を陳述させていただきたいと思います。
まず、めくっていただきまして、二ページ目でありまして、今回ここに参考人としてお呼びいただきました趣旨は、冒頭に委員長おっしゃいましたように、資源エネルギーの安定供給実現への提言ということで意見を述べよということでありまして、その関係から、私は、この二ページ目にありますように、まず国内の今の情勢を私なりに簡単に俯瞰してみたいと、そして、その次に国際的には今こんなような状況ですということで、まず、るる説明をさせていただきたいと思います。
まず、近年の国内エネルギー政策の動向と情勢の変化ということでありますが、やはり何といっても、今年は二〇二二年でありますが、今から十一年前、非常に不幸な事故が起きたわけでありますね。東日本大震災です、三・一一の。あれによりまして、地震があって、東北地方、原子力発電所もたくさんあるわけでありますけれども、地震では何にも起こらなかったと、ところが、その後大津波が来て、これは大変な被害が出ました。
これは、特に沿岸部にお住まい、あるいはそこでお勤めの方々、大分その津波の被害に遭われて、今でも、私も実は小学校から高校の途中まで仙台に住んでおりまして、松島が大分痛手を被ったということで、あれ、宮城県の本当、名勝地なんでありますけれども、非常に心を痛めた記憶がありまして、今も実はまだ本当に、私の目から見ますと一〇〇%の復興までには至っていないなということで、まだあそこはやはり大きな被害が残っているなと、こんなふうに思っているわけでありますが。
一方で、電力ということで、エネルギーということでいいますと、福島第一原子力発電所が緊急停止の後、みんな止まったんでありますけれども、その後ですね、津波が襲ってまいりまして、冷却電源、核燃料というのは冷却していなければいけないのでありますけれども、その電源が津波によって壊れてしまって、そしてあのような放射能漏れを起こした、こういう経緯でございまして、ただ、あれから今もう十一年たっておりまして、どうでしょうか、先生の皆様、先生方、あの事件を、事故をどのように、改めて十年たって捉えられておりますでしょうか。
私は、あの事故以降、様々なことがあった、これは承知をしておりますけれども、いかんせん、ここに書いていますように、エネルギー動向ということで考えますと、あのときにかなりヒステリックに国内、これは政治もマスコミもみんなそうだと思うんですけれども、あのときから原子力発電所につきまして非常に忌避するという、こういう空気が流れておって、それが大分蔓延して、まだそれが拭い切れていないというのが今の状況だろうということでありまして、規制当局、行政の方におきましても原子力規制委員会ができたりという新しい動きはあったんでありますけれども、現状において、西日本の一部、九州電力、四国電力、関西電力におきましては再起動してそれなりの電力供給を果たしているわけですけれども、中部よりもこちら側、東側、北側については全くもって動いていないということで、ここ、一言で申しますと、この一行目に書いてございますように、原子力発電所については稼働させなさ過ぎということで、これははっきり申し上げまして、私はこれは駄目だと思います。はっきり申し上げます。こういう政治を、行政をやっていては、私はいかぬと思います。
つまり、次に書いていますように、大量、安定、安価供給源である目の前のものを止めているわけですね。その影響というものが、その次にもありますけれども、様々な方面で出ているということを改めて、国会議員の、国民の代表者である皆様にも改めて認識していただきたいと思います。
二つ目であります。
翌年、再生エネルギー、これは実は原発事故が起きたから再エネを持ってきたわけではありません。再生エネルギー、今、固定価格買取り制度でありますが、この法律は、これ、あのくしくも二〇一一年三月十一日の震災の六時間前に閣議決定をされたものでありまして、東日本大震災、原発事故とは関係なく再生エネルギーは普及しようという姿勢でおったわけであります。したがって、よく原発事故が起きたから再エネをやるんだというふうな論調が当時から出ておりましたけど、事実関係で申し上げますと、あれは認識の間違いであります。
しかしながら、二〇一二年、震災の翌年に、たしか七月だったと思いますが、このFITを施行して、そのときに余りにも太陽光を中心として高値であったということで、私は当初からこれはバブルが起きるんじゃないかと懸念しておりましたが、案の定バブルが起きてしまいました。
再生可能エネルギーというのは、私も実は、卑近な例で恐縮でありますけれども、昔、行政庁、経済産業省に勤めておりまして、再生可能エネルギーも担当しておりました。そういった経緯からしますと、これは国産のエネルギーであります。我が国領土、領海内で取れるエネルギーは、これは大変重要なものでありまして、これを振興していくことというのは、言わばエネルギー政策の肝の一つ、柱の一つであります。
ただ、余りにも乱開発が大きいということで、昨今では地方自治体の条例が、たしか政府の統計によりますと一割近くの自治体でそういう、太陽光だと思うんですけれども、そういう開発に対して規制じみた条例ができているということで、これはこれで非常によろしくないことであろうと私は考えております。乱開発のツケというものを真摯に反省しなければいけない時期に来ていると思います。
それから三つ目でありまして、これは二〇一六年でありますが、電力の全面自由化、小売自由化ということであります。
これについては、以前から自由化というものは進めておりまして、私もそういった九〇年代から始まりました部分自由化の政策に携わった経験があります。
電力やガス、そういったエネルギー産業にある程度の競争を起こし、自由化という名目の下でコスト競争をする環境を整えることは、これまた非常に重要なことであると考えておるわけですけれども、いかんせん、二〇一六年の全面自由化について私は申し上げたいのは、当時から申し上げておったんですけれども、多勢に無勢で全く私の意見は無視されてしまいましたけれども、このままだと大型電源、原子力、火力、大型水力に対する投資インセンティブがそがれてしまうんじゃないかと。投資回収方式、当時、総括原価方式といいましたけれども、これが大分やり玉に上げられまして、これが廃止ということで、今ちょっとここのところは私は非常に懸念をしておるというところでございます。
再生可能エネルギーは、FITということで、これは長期、太陽光とか風力は二十年ぐらいですね、そういった長期にわたって投資回収はできる仕組みが用意をされておりますけれども、大型電源についてはこれをやめるというようなことで、何かこう、あれですね、安定供給の本当に大事なところを自由化という名の下で忘れかけているような気がしますので、ここは私は今日この場を借りまして意見を申し上げる中でリマインドをさせていただきたいと思います。
それから、国際情勢でありますけれども、これも皆さん御案内のとおり、やはり去年以来ですね、ガス価格、原油価格、これは国際相場ですので日本がどうのこうのというわけではないんですけれども、そういう日本人にはどうしようもない理由でもって相場が上がっていると。
理由は様々でありますけれども、昨今ではロシアとウクライナの情勢が非常に緊迫をしておりまして、プーチン大統領、今日の報道ですかね、昨夜の報道ですかね、一部撤退すると、軍隊を撤退するということで、大分ガスの方についても一部持ち直しつつあるというのはあるんですけれども、しかし、そういうガス危機とか原油の危機とか、そういう、言わば七〇年代に振り返ってみますとオイルショックというのがあったわけでございますけれども、日本はやはりエネルギーというものについてはどうしても海外に依存せざるを得ない。この脆弱な構造について、今回のガス危機というものが我々日本人に対してどのような、まあ改善点というんですかね、これからこうしなければならない、ああしなければならないということを思い起こすかというところが勝負かなというふうに思っております。
そこに、下に書いていますように、ここ十年ですね、震災以降、これはやはり電源構成の違い、原発を止めてしまったということと、それから再生エネルギーはやや高いお金を掛け過ぎているということで、そういったことからも、電気料金、これはもう統計上の数字ですね、大体二割から四割ぐらい上がっているということで、これは我々の生活コスト、それから産業コストにも大きく響いておるところでございます。
これは昔、財務省の方と議論したときに、消費税を上げるのは非常に大変であると。例えば橋本内閣のときには三パーから五パーに上げる、これは非常に大変であると。当時、当時の大蔵省ですね、の方と議論したときに、ああ、そんな大変なんですかというふうに私申し上げたところ、いやいや、これは税が上がると八百屋さんとかお店とかそういったところで数字が出ちゃうんですと、キュウリが一本幾らとかニンジンが一本幾らとかお肉が幾らとか上がってしまうと、これは庶民に対して非常にインパクトが大きいものであると、そんなようなことをおっしゃっていました。
しかし、電気料金とか都市ガス代というのは、実は我が家もそうでありますが、恐らくほとんどのこの議場にいらっしゃる先生方のお宅でも多分そうではないかと思うんですが、多くは自動引き落としじゃないかというふうに思います。そうしますと、月に一遍、私の場合、クレジットカードで引き落としをしておるわけでございますけれども、合計額は一応見るんですね、ああ、何か何十万使ったねと。ところが、明細まで行って電気だのガスだの水道だの何だの全部事細かく見る暇もないと。何となく合計で見てしまうんですよね。そういうふうに、やはり消費税との違いというのはこういうところにあるんだろうと。
しかし、後で申し上げますけど、負担額というのは兆の単位で負担が増えておりまして、ここは気付かないのは、そういった情報の、我々一般庶民の見方なのかなと、あるいは開示の方法にもう少し工夫の余地があるのかと、いろんなファクターがあろうかと思います。
そういう点でいいますと、ガソリン代についてこれほどやはり日本全体が、政治の場でもガソリン代について非常にビビッドになっているのは、あれはガソリンスタンドの値段が出ているからだと思います。昨日ですね、私、世田谷区に住んでおりますけれども、百六十六円ぐらいでした。高いと思います。しかし、これが百七十円を超えると政府からいろいろ支援が出るというようなことになっておりますけれども、百六十六円とかやはり高い、そんなふうな思いであります。
じゃ、下になりますけれども、二ページ目の下のところで、日本経済への影響ということで、私は、二割から四割、そういう電気代が上がっていることとか昨今のガス代やガソリン代の値上がり、これも懸念しておりますけれども、やはり二つ目といたしましては、化石燃料について、やっぱり脱化石とかですね、特に石炭が随分があっとやられちゃっていますけど、こういったところというのはやっぱり安定供給源についてもう少し考えた方がいいんじゃないかと思います。
再生可能エネルギーの導入というのは分かりますが、時間が掛かる、長期的に時間が掛かるものだと思います。この資料の後ろの方で御説明申し上げますけれども、世界全体で見ても、なかなかエネルギーの構成というのはそんな簡単に変わるものじゃないということが見て取れるわけであります。
それから四つ目といたしまして、私は、原子力、三・一一の原子力事故、それから最近の脱石炭とかなんとかというような、そういう、メディアを中心に、SNSを中心に流れているようなものというのは風評みたいなものでありますけれども、私は、政治が風評に連戦連敗中なんじゃないかなというふうに思います。もう少し政治の場、まあメディアも含めてですけれども、そういう声を大にして言うべき人、そういうことを言うことがふさわしい場においてずっと負け続けていると、風評に負けているのは残念でなりません。
で、文句ばかり言っていてもしようがないので、ここで提言を申し上げたいと思います。
三ページ目であります。まず、短期的なもの。次のページが長期的なものでありますけれども、まず三ページ目で、短期的なこういうことを是非政治の場で真剣に御検討いただきたいということをここの提言①ということで書かせてもらいました。
まず、私はやっぱり電気料金、そういった、そこに非常にやっぱり関心がございます。これは、生活コストもそうですけれども、産業競争力の源泉であります。したがって、こういったところについて、なぜ今電気代が高いのかということで、これはもう明らかにありますけれども、三・一一の原子力事故をもってほとんどの原発を止めちゃったということですね。
原発事故というと確かに悲惨なものでありますけれども、人類は今まで大きな原子力事故を三回経験しております。一つが、一九七〇年代後半のアメリカ、スリーマイルス島の事故ですね。その次に、一九八六年、旧ソ連、今でいうところのまさにウクライナでありますけれども、そこのチェルノブイリ原子力発電所におけるあの大きな事故。そして三つ目が、三・一一の福島第一原子力発電所の事故であります。
まあ、どの事故もそれぞれ、国も違う、それから事故の事象も違うということで、一概に比較することはなかなか難しいのでありますが、私は、一つだけ日本はどうしてこうなんだろうというふうに思っている点がありまして、それは、アメリカのスリーマイルス島の事故の後、それから旧ソ連、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所の事故の後、確かに事故った、事故を起こした炉については、それは廃止であります。避難をちゃんとやると、それも当然であります。まあ福島もそうでありましたけれども、唯一、私は大きな違いがあると。それは、アメリカもソ連も原子力発電所、ほかの原子力発電所は止めておりません。通常稼働のままです。日本は止めたまま。まあ一部、九州電力、四国電力、関西電力については再稼働を果たしましたけど、随分時間が掛かりました。中部電力、北陸電力、東京電力、東北、北海道、Jパワーについては、そういった原子力発電所の再稼働、ないしは工事の再開が認められておりません。これはおかしいです。使わなさ過ぎと言いましたけれども、これはおかしいです。福島第一原子力発電所の事故は、確かに不幸な事故でありました。津波が来たときに非常用電源が駄目になる、そんなことがあってはいけない、これからもっともっとそこをきちんとやらなければいけない、当然のことであります。しかし、そういった措置以外のところで今は止め続けているのが現状であります。
これにつきましては、国政判断で是非とも原子力のフル活用ということをもって電気料金を下げる、そういった方向に政治でもって誘導していただきたいと思います。もちろん、原子力規制委員会の新規制基準、これを守るための工事は引き続きやるということは当然のことであると思います。しかしながら、私は、ほとんど全ての原子力発電所を見学させていただいておりますけれども、今の新規制基準に関する工事というものと、実際にエネルギーを作る原子炉、全く関係ないものがたくさんあります。原子炉に直接関係あるもの、これはさすがに無理だと思いますけれども、しかし、ほかの点についての工事のときに発電をストップしておくというのは、これはおかしいと思います。こういったものをオーバーライドできるのは、やはり国政しかないと思います。一自治体の判断でできるものとはとても思えません。ですから、ここは国会の力でもってきちんとそういったところについて向き合っていただきたいと思います。
それから二つ目でありますけれども、やはりこれ、時を同じくして、再生エネルギーが二〇一一年、一二年、そういう再エネ、FITで始まったんですけれども、本格導入ですよね。そのときに、やはり私の家でもそうなんですけど、毎月の再エネ賦課金、もう二千円超えています。先生方のお宅、どうでしょうか。恐らく、多くの議員の皆様は御自身で自分の電気料金の明細を御覧になったことないのではないかなと、大変失礼なことを申しますけれども、もし御覧になっているのであれば、この値段をどうお考えになるかと。電気料金の明細には消費税もございます。消費税より高いです。幼児教育無償化や社会保障財源になる消費税よりも高いものを、我々は再生エネルギーとして投資をしております。はっきり言って、日本は再エネ大国だと私は思っております。
これをやめるというのは、これはまあないと思います。再生エネルギーは国産エネルギーですので当然振興していくべきですけれども、お金が掛かってしまっていることに対して、ここに原子力を止めるというダブルパンチですね、原子力を止めることによって追加燃料費がかさんでおります。二〇一一年以降、年間二兆から四兆ぐらいかさんでおります。この反映された電気料金を、さっきも申しましたけど、なかなか一般庶民はそこまでは注意が及んでいないのが実情かと思います。何兆と言われてもぴんとこない嫌いがありますけれども、私はよく外の方にもこういった説明をさせていただく場でも申し上げるのは、兆という単位が出てきたときに、こういうふうに申し上げます。消費税一%は年間二兆五千から六千億のオーダーであると。消費税をこの間八から一〇に上げる、その前は五から八に上げる、これは安倍政権、両方、でも安倍政権で行われた消費増税でありますけれども、随分時間掛かりましたですよね。特に八から一〇に上げるとき、幼児教育無償化財源という、今後の少子高齢化対策として極めて重要な財源を求めるのに選挙を何回やったことか。そのぐらい大きな金額のものなんです。それを電気料金の中で回収されているんです。何の議論も出ずにだと。私からすると、賦課金の議論というのはほとんど出てまいりません。
その良しあしについては申し上げません。再エネ振興のためにはそのぐらいの財源が必要だという、これは事実だと思います。しかしながら、安く、それと相殺するぐらい安くする余地が、実は日本の電源構成を見るとあるんですね。それは、化石燃料の使用量を二〇一〇年以前と同じように減らして、原子力を元に戻して、そして、その原資でもって再エネ賦課金の負担感を減らすと、こういう大きなマクロのゲームというものをできるのは、国会以外にないと思います。そこについて、先生方いま一度お考えいただきたいと思います。
それから三つ目であります。
大型電源の投資回収、先ほど申しましたけれども、これでは私は投資市場として魅力ないと思います。自分がお金を出す立場になったときに、大型電源なんて危なっかしくて出しません。再エネは出します。FITがありますから、安定的に回収できます。しかし、大型電源は、総括原価方式という、まあ名前の良しあしはちょっと置いておきまして、投資回収ができにくい状態になっていると。これだと投資家も出しにくいんじゃないでしょうか。
実際、ヨーロッパでは電源が不足しているという事態も起こっております。早晩、自由化を始めた欧州でも見直しが起こるんじゃないかと私は思っておりますけれども、日本でも、欧州よりも先にここについて気付いていただきたいと、そのように思います。
次のページでありますが、少々時間の掛かるんだけれどもこれだけはやっていただきたいという提言をここで書かせていただいております。
まず、ちょっと順番が相前後いたしますけれども、二番目ですね、再生エネルギーは全部利用すると。と書くと、今は全部利用していないのかという質問が飛んできますが、全部使っておりません。特に、春とか秋は需給が緩和いたします。
九州電力で毎年、出力制御といって、せっかく太陽光でつくった電気が、つくれないというような状況になっています。これはもったいないですね。本来、今すぐそこに、蓄電池であるとか、そういう電気をためるもの、あるいは水素の形でエネルギーをためる蓄エネのようなものがあれば、それはそこに流せばいいんですけれども、現在、残念ながらまだありません。したがって、そこに対する政策資源を是非とも傾注するべく、国会の中でもその方向性をきちんと出していただければなというふうに思います。
それから、再エネについても、私は十年後を心配しております。先ほど、大型電源については、総括原価方式がなくなっちゃったので投資がおぼつかないと書きましたけど、このままいくと再生エネルギーも同じ道をたどると思います。
私は、再生エネルギーについても、主力電源化ということを標榜する以上、余りこちらの方も自由化自由化ということではなくて、長期にわたる投資回収を担保する措置をもう一度考えるべきだと思います。このままでいくとFIT廃止ですから、それだと投資がおぼつかなくなると、私は本当にそのように思います。投資回収は大事です。お金がなければ物は作れません。私は、そこについて、再エネ政策は、何かあれですよね、こちらの方もだんだんだんだんそのFITがやめた後は自由市場でなんというふうにおっしゃる方いるんですけれども、私はそれはちょっと再エネ主力化から離れてしまう、逆にその距離が置かれてしまうような気がしてなりません。
それから、太陽光についてなんですけれども、一番下ですね。これ、恐らく日本で再エネというと、やはり太陽光がまだまだ余地があると思います。特に、東京都などでは、既設の屋根でありますとか構築物の上に太陽光を置こうという動きがありますけれども、であれば、廃棄パネルというのが必ず出てまいります。物すごい量だと思います。これについてはきちんとしたシステムをつくって、ひょっとすると、原子力発電のように処分地のようなものを指定してつくらなければならないような状況が来るやもしれません。こうした点についてお考えいただきたいと思います。
五ページ目であります。
エネルギー政策を考える手段につきまして、少々生意気なことを申し上げます。赤い字で書いておりますけれども、まず感情論を抜きに数字でもって思考していただきたいというふうに思います。ややちょっと美辞麗句が多過ぎますので、数字でもって、これこれこういうことで値が下がっているとか、こういうことで値が上がっているとか、そういうことを冷静に議論をしていただきたいと思います。
それから、風評やデマというものを見極める眼力を持ちたいというふうに思います。例えば、日本は再エネ後進国だというのは、これは違うと思います。水力や太陽光はもう世界でもベストテン、特に太陽光についてはもう世界第三位です。風力はやや遅れている、これは仕方ないかもしれません。適地があるかどうかという問題もありますけれども、しかし、再エネということであれば、水力と太陽光は堂々と自信を持ってよろしいんじゃないかと思います。
あと、それから、再エネ推進は世界の潮流と、これは事実だと思います。これは本当の話だと思います。しかし、原子力や石炭はどうかと言われると、脱原発は世界の潮流と、これは違うと思います。世界的には増えております。それから、化石燃料について物すごく忌避する空気がありますけれども、世界で多くはまだまだ化石燃料であるということをきちんと認識し、遠い将来、自然エネルギーであるとか、再生エネルギーであるとか、新エネルギーであるとか、そういったところに移行する、そういう政治スローガンは掲げつつも、今現実的には化石燃料が大宗を占めるということを考えながら、中長期的な政策の方向付けを是非とも国会の場でも行っていただければなというふうに思います。
それから、説明としては最後になると思いますが、六ページ目ですね。二〇三〇年の電源ミックス、これ大分話題になりましたけれども、これ実は、二〇三〇年は再エネは三六から三八ということで再エネが一番だということを言っておりますけれども、因数分解をすると、右側に私が書きましたけど、上位三電源は原子力、天然ガス、石炭であります。その次に太陽光、水力という順番がありますけれども、今後は、再エネ一くくりとか化石燃料一くくりとかということではなくて、それぞれ因数分解しながら、太陽光は幾ら、風力は幾ら、石炭は幾ら、天然ガスは幾らというような形で少しきめ細かく政策を打っていくことが大事かなと思います。
太陽光と風力は全く違います。太陽光は多いけれども風力は少ないですよ、我が国は。したがって、政策の資源の配分も変わってくると思うんです。一緒くたに再エネということではなくて、風力には風力らしい……
○会長(宮沢洋一君) 石川参考人、石川参考人、そろそろおまとめいただけますか。
○参考人(石川和男君) はい。
太陽光は太陽光らしい、そういっためり張りのある政策に移っていただければなというふうに思います。
七ページ目と八ページ目につきましては、このグラフを見ていただきまして、そうそう変わるものではないということを認識いただければなと思います。
ありがとうございました。
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。
次に、奈良林参考人にお願いいたします。奈良林参考人。
○参考人(奈良林直君) 東京工業大学の奈良林でございます。(資料映写)
私は北海道大学にもおりまして、十三年間北海道で、エネルギー環境システム部門というところで原子力の研究、そして再生エネに関しても学生たちに教えておりました。
今日は、再エネの限界と原子力活用に向けた諸課題とその解決法ということで意見陳述させていただきます。
まず、国家基本問題研究所、私が理事で、委員長としてエネルギー問題研究会のこの政策提言をまとめました。工学だけではなくて、経済、防衛、いろんな分野の、あとCOPにずっと出席されている東京大学の有馬先生も加わっていただきまして、非常な大所高所からの観点で審議をして、今四ポツに書いてございます政策提言、(一)から(七)をまとめました。
今日は、既にこの政策提言の中身については委員の先生方に事前配付されておりますので、この内容は後で、もう既にお目通しいただいていると思いますので、後で質疑の中で答弁して詳しく御説明したいと思います。
今日は、この政策提言のベースになっておりますデータを使って、なぜこういう政策提言をしているかということについて御説明したいというふうに思います。
まず、再生エネルギーは不安定で結果的に高コストになるということを御説明したいというふうに思います。
今、石川参考人が、日本は既に太陽光パネルで世界第三位だということを説明されました。このランキングは世界の太陽光発電のランキングでございます。一位が中国、二百五十四ギガワット、一ギガワットは百万キロワットですので、中国は原発二百五十四基分の、百万キロワット相当ですけれども、既に太陽光パネルを敷き詰めていると、もう太陽光発電大国でございます。二位が米国の七十四ギガワット、三位が日本、六十七ギガワット。かつて日本には五十四基の原発が動いておりましたけれども、今や太陽光はそれを上回る六十七ギガワット、原発六十七基分、百万キロワットに換算ですが、それだけの巨大な電源になっております。そして、ドイツが五十四ギガワット、こういったランキングでございます。
そして、これを国土面積で割りますと、日本は何と世界一位です。一平方キロメーター当たり太陽光の出力百七十七キロワット、断トツに世界一位でございます。このような形で、我が国において太陽光は非常に目覚ましい発展を遂げ、世界でも有数の太陽光発電大国になったわけでございます。
ところが、今これを、二酸化炭素の排出係数という、そういう指標で整理してみました。
今の二酸化炭素、各国の排出量が全部データにございます。そして、各国の発電、何テラワットですね、発電したかと、年間に発電したかというデータもございます。これを割り算しますと、一キロワットアワー、一キロワット時当たりの電気を発電したときに何グラムの二酸化炭素を排出したかということが分かります。
それで、今、先ほどの太陽光発電大国の米国、ドイツ、日本、中国、実はこの排出係数でいきますと、どちらかというと世界の後進国になっています。これが私は大きな問題だというふうに思っていまして、これが私は再エネの限界というふうに考えております。これを解決する必要がございます。特にドイツでは再エネが四〇%をもう超えております。日本は再エネが今二〇%。ところが、排出係数で見ると、隣同士、ドイツが四百七十二グラム、日本が五百三十四グラムでございます。
一方、世界でトップの排出係数、一番少ないのがノルウェー、十三グラム。たった十三グラムです。ノルウェーは、実は水力発電がほぼ一〇〇%の国です。再エネの国です。二位がスイスです。四十二グラム。スイスは水力発電と原子力がほぼ半々、火力は二%ぐらいしかありません。そして、スウェーデン、四十六グラム。環境活動家のグレタ・トゥンブルさんが、中国はバッドガイだと、二酸化炭素をいっぱい排出していると、この間、COP26のときにベルリンで演説をされていました。そして、次がフランスですね。フランスは七十グラム。これは、原子力が七十数%の比率を持っています。そして、カナダ。ナイアガラの滝で膨大な水力発電、そして原子力もしっかりやっているという国です。
これらの国々が共通するところは、水力とあるいは原子力、それを組み合わせて、二酸化炭素がほとんど出ない、既に実績をつくり上げているということでございます。二〇三〇年の目標値、一キロワットアワー当たり五十グラムをほぼもう達成した国、達成しようとしている国がございます。
その次のベルギーからイギリス、フィンランド、スペイン、デンマーク、これは風力の非常に盛んな国々です。ですから、この排出係数、一キロワットアワー当たり何グラムの二酸化炭素を出すかというこの排出係数の手法から見ると、水力、原子力、それから風力、そして太陽光と、何もしない国という形になってきます。
なぜそういうふうになってしまうかということを更に分析しますと、これが我が国の電源構成、二〇二〇年のものです。ここで水力を除く再エネが一二・九%で、ここに太陽光が八・五%まで高まっております。バイオマスが三・二、それで水力を入れますと、再エネが二〇・八%です。実はこれ、飯田参考人のホームページから調べさせていただきまして、さっき許諾をいただきました。この火力でございますが、石炭が二七・六%、天然ガスが三五・四%です。石炭は非常に多い、安いものですから、最近、電力需要家の中でどんどん増えてきておりました。それに対して、再エネが二〇%あります。原子力は四・三%ですが、二〇二〇年は特定事故対処施設の工事が遅れているということで、数プラント、発電を止めさせられていた年です。そのために二%減って、二〇二〇年度は四・三%でございました。
そして、同様のドイツですが、再エネが三九・七%。これ、二〇一九年です。さらに、二〇二〇年、二一年では四〇%か四十数%まで行ったという報道がございます。この中で、風力が二〇・七%、太陽光が七・六、バイオマスが八・三、水力となっています。反対側は、原子力と火力の合計が五六%です。火力に至っては四三・七%の比率。
つまり、変動する風力、太陽光のこの変動を抑え込むには、火力とか原子力、こういった電源で安定化させてやらなきゃいけないと。こういうことが、気候によって不安定な、気象によって不安定な再生エネルギー、変動電源と呼ばれていますが、これを安定化するためにしっかりした電源が必要だということになります。
さらに、簡単な計算をしてみます。この太陽光の出力を正弦波、サインで近似しまして積分しますと、〇・三二、つまり一日の中で三二%しか電気を出していないと。日本は温暖な気候ですので、晴天になる確率が五〇%です。〇・五を掛けますと一六%。そして、いろいろなインバーター等の回路損失、送電損失、それからあと、水平に太陽が照っているときは太陽光はほとんど電気を出しませんので、実質、設備利用率は一三%しかございません。一五%にするには、ちょっとこのピークの、ピークカットして横側の幅を広げるということで一五%になりますけれども、実力的には一三%です。この太陽光の設備利用率が低いということが、再エネを主力電源にするに困難を来しているということになります。
さらに、もし太陽光で一〇〇%の電気を供給するにはと。これは極端な例でございます。全電源自然エネにできる、原発ゼロはやる、やればできるとおっしゃっている元首相がおられます。ところが、これ非常に困難です。
今、太陽光だけでもし電気を供給しようとしますと、日本の電気の電力需要の一〇〇%の更に七・七倍、一三%ですから、七七〇%まで太陽光で発電をして、一〇〇%から七七〇%まではみ出した部分を闇夜の世界に蓄電あるいは水素製造、こういった形で蓄電をして、この闇夜の部分に電気を流し込まなきゃいけません。電気は保存できませんので、バッテリーとか蓄電、それから水素製造、こういった形で水素にするんですけど、これをまた火力にしますと、元の電気の半分ぐらいしか出ない。深夜は電力需要が下がりますので何とかいくんじゃないかと思いますが、こういうことになると、このシステムコストといいますけれども、約一千兆円のお金が掛かります。太陽光パネルが値段が下がったとしても、それ以外の部分で物すごい投資が必要になってきます。
これを裏付けているのがOECD、経済協力機構のこのデータでございまして、陸上それから洋上風力、太陽光、これは家庭用と事業用、これでシステムコスト、接続コストとか活用コストが非常に掛かっているということが分かってきております。
これをイメージしますと、今ここに描いた図のようにメガソーラーでたくさんの電気を集めて、そして、できればそこにバッテリーを置いて負荷を平準化して、安定化した電源にして送電線に乗せて、そして需要地に、大都市に送らなきゃいけないと。このシステムコストは大変です。送電線を七・七倍にするというのはもう膨大なコストが掛かります、何十兆円というお金になります。ですから、メガソーラーの出力を抑え込んで蓄電したりあるいは水素製造をするということが必要になります。
今私が非常にいいなと思っていますのが、これは福島県浪江町にございます水素工場でございます。再エネの電気で電気分解をして水素を作ると。この水素を蓄えて燃料にするというものでございます。電気分解の効率が現在八〇%ございますので、火力でもう一回燃やすと六〇%の効率ですので、あるいは燃料電池ですと七〇%ですので、五〇%を超える効率になることもございます。ですから、こういったところが再エネの弱点をうまく活用してエネルギーを供給するということができるようになると。
今現在、日本、我が国のエネルギー利用は、電力は二五%、残りの七五%は熱エネルギーです。二〇五〇年カーボンニュートラルというのは、その熱エネルギーの部分も脱炭素化しなきゃいけないわけです。ですから、こういった取組が非常に重要になるというふうに思います。
そして、再生エネルギーでございますけれども、これは鉱物資源がこれから膨大に必要になってきます。これは国際エネルギー機関が調べたもの、コンベンショナルな自動車、これは非常に少ないんですが、これを電気自動車にしますと、いろいろな鉱物資源が、数倍の鉱物資源が必要となってきます。発電においても、天然ガスそれから石炭、原子力に比べて太陽光とか風力については鉱物資源を大量に必要とします。
それから、グリーンだと言われていますバイオマスでございますが、実はマイケル・ムーア監督のザ・プラネット・オブ・ザ・ヒューマンという映画がございます。克明に描かれておりますけれども、実は熱帯雨林の伐採で得た木材チップがヨーロッパに運ばれて発電に使われているという事実がございます。日本の環境団体の方々もこれは気付かれています。今、バイオマスの反対運動も今、日本でも起きています。ですから、こういうことを許してはいけない。環境を破壊する、これに加担しては私はグリーンではないと思います。
そしてさらに、いろいろな困ったことがたくさん出ておりまして、我が国は現在電気代が非常に高い。それによって産業が凋落をしているということです。
これは世界の産業用の電力料金の二〇一六年度の比率です。今最も世界の主要国の中で一番高いのは日本でございます。断トツに高い。それによって何が起きたか。これは我が国の太陽光パネルの生産です。二〇一〇年度で八七%が日本のメーカーによって太陽光パネルがつくられていました。ところが、高い電気代でシリコンウエハーを使って太陽光パネルつくったら、とんでもなく高くなってしまいます。そして、二〇一九年にはこれが今一七%までシェアを落としました。太陽光で国がもうかるかと、そうじゃなかったんです。中国に圧倒的にシェアを握られてしまって、太陽光パネルを敷き詰めると日本のお金が中国に行ってしまうと、こういう図式になってしまったわけです。
そして、電気自動車、今もてはやされていまして、非常にいいと、すばらしいと、環境に優しいということで、世界中で今しのぎを削って普及が始まっています。今、ここの右側にございますが、ちょっと字が小さくて恐縮ですが、一位がテスラ、二位がフォルクスワーゲン、三位がBYD、中国でございます。世界で初めて電気自動車を販売して、商用の販売をした日産は今十四位、トヨタは今十七位まで順位を落としております。
もしこのまま電気自動車を普及させていきますと、我が国は中国から安い電気自動車を輸入する国になってしまいます。我が国の基幹産業である自動車産業が危機に瀕している、この厳しい現実を是非認識していただきたいというふうに思います。
二〇二〇年度を一としますと、このザ・ロール・オブ・クリティカル・ミネラルス・イン・クリーン・エナジー・トランジションズ、これエネルギー遷移といいますが、むしろエネルギー革新と呼ぶべきことだと思います。これを制約するのは、ここに書いてあります、リチウム、それから黒鉛、コバルト、ニッケル、レアアース、こういったものが何十倍も必要になります。
実は、中国は既にこういった資源をしっかり押さえています。非常に緻密な将来計画の下に中国はエネルギー政策あるいは電気自動車の政策を取っていまして、ほとんど何もしていなかったような日本はもう敗退の一途をたどると、こんな運命付けがされているんではないかと非常に危機感を持っています。
そして、鉄は国家なり、かつて日本は世界一の鉄鋼、粗鋼の生産国でございました。現在、世界の約五〇%は中国が鉄を生産しております。一位が宝武鋼鉄、二位がアルセロール・ミタル、そして、それ以下、赤い部分が全部中国の鉄鋼メーカーでございます。日本製鉄は現在第五位に落ちました。JFEスチールは現在十四位まで順位を落としてしまっています。
そして、日本製鉄は米国に電炉の工場を建設します。アルセロール・ミタルと合弁で、日本ではなくて米国に電炉の工場を建設します。これは、自動車用の鋼板に使われて、非常に品質が要求されて、利益率も高い自動車用の鋼板、これを日本ではなくて電気代の安い米国に建設するわけです。こんなことが今起きているわけです。高い電気代というのは、日本にとっては命懸けの、もうそういう状況に入っています。
そして、一人当たりのGDPを調べてみました。これは二〇二〇年のものです。日本の今GDP、一人当たりですが、二十三位、そして韓国は二十七位。そして、実質労働賃金で調べますと、既に一人当たりで韓国に日本は抜かれてしまっています。
なぜかということをよく見てみました。一位のこのルクセンブルクです。なぜこのルクセンブルクが世界一位のGDPになっているか。実は、先ほどの世界第二位の鉄鋼メーカーであるアルセロール・ミタルの本社があります。そして、スイス、これはABBが欧州の配電、配送電の世界的な普及を図っている。つまり、ヨーロッパの送電網があれだけしっかりしているのは、このABBが頑張っていると。そして、アイルランドでは多国籍企業が急成長を遂げて、そこに世界の投資が集まっています。そして、ノルウェーは、水力一〇〇%、安い電気を使ってアルミ精錬、それから半導体のシリコンウエハーを生産、電力多消費産業が成立しています。
このように、エネルギーがその国のGDP、成長を決めます。成長している国々には世界から投資が集まります。今、日本は成長していなくてどんどん順位を落としていますので、日本のいろんな金融資産を全部アメリカのウォール街に行って、アメリカのウォール街は成長している企業に投資しますから、結局中国やヨーロッパの成長している国々に日本の資金が行ってしまっているんです。
このGDPから読み取れることは、岸田首相が我が国の成長戦略を取る上で何をすべきか、我が国で強い成長力を持つ産業をちゃんと育成しないと負けてしまいます。これがこのデータから分かります。
そして、洋上風力は非常にこれから有望で、我が国でも再エネの重点的な投資対象になっております。
ところが、陸上及び近海では強い風が吹いているところはありません。北海道の西岸と東北の一部に、この赤い、強いところがございます。ところが、日本は遠浅の、陸地は非常に、海は少なくて、すぐに深い海になります。そうすると、浮体式の船のように浮かんでいる水力発電を頼らなきゃいけない。そうすると、浮かんでいるものをアンカーで固定しますから、送電線もゆらゆらと揺れていると。これ、ダイナミックケーブルといいますが、浮力で浮かしている。このダイナミックケーブルがこの洋上風力の非常に重要な技術になりますが、このダイナミックケーブルのまだ技術的な見通しがしっかり得られていないわけです。ですから、そこの技術的なまだ未解決のものがあるものに国の大きな投資をしていいのかということが大きな私は問題だというふうに思います。
そして、再エネの普及と、それからいろいろな気候変動が起きて、世界中で大停電が起きています。
これは、スウェーデン、二〇一九年の一月ですけれども、暴風雪、ブリザードでスウェーデンで大停電が発生しました。ウプサラ大学、スウェーデンの大学と東工大はいろいろな交流をしていますのでスウェーデンの先生が教えていただいたんですけれども、命懸けだったと。寒い、もう死ぬようなマイナス二十度とか三十度のところから電気があるところまで逃げ出すのが国民が命からがらだったと。それで、世界で初めて国民投票で脱原発を決めたスウェーデンは、この脱原発政策を破棄して原子力を使い続けるということになりました。
我が国においても、昨年、それから今年もそうですが、電力の需給逼迫が続いておりまして、大停電の直前まで行っております。なぜかというと、今、これ、二〇二一年、去年の一月ですが、七%の電気を供給していた我が国の太陽光が、大雪が降って最低で二%まで、五%も下がったわけです。寒波によって電力需要も急増しまして、三六%から最大で四四%まで、三四%から四四%まで一〇%も天然ガスの火力が増えたわけです。
そうすると、LNGが二週間しか蓄えられませんのでどんどん減っていったということで、高いLNGをスポットで買うことになりました。二〇二〇年の五月に比べて、二〇二一年の一月は何と十八倍に高騰します。そしてさらに、昨年の十月の段階で更に高騰して三十一倍になっております。今、世界中で天然ガスを使うようになりましたので、高い天然ガスを買わざるを得なくなってきた。これは我が国にとって非常にまたダメージとなってくる。世界一高い電気代がまた高くなっちゃうと、こういう悪循環に陥る可能性がございます。
そして、同じようなことは、このカリフォルニア、これ熱波によって電力需要が伸びて計画停電に入ったり、テキサス州で寒波によって、風車、二三%電気を供給していた風車の半数が凍結で止まって、大停電が起きて、死者が四十名と書いてございますが、その後の報道によりますと八十名ぐらい、そして原発もセンサーが凍結して、原発が一時停止しております。こんなことで、世界中で停電が発生しております。
そして、今、次が原子力発電所の新規制基準等でございますが……
○会長(宮沢洋一君) 奈良林参考人、奈良林参考人、そろそろ時間来ておりますので、お話おまとめいただけますか。
○参考人(奈良林直君) はい。
これは後で質疑の中で答弁したいというふうに思います。なぜ福島の事故がこんな悲惨になったかとかですね。
そして、フィルターベントによってそれが防げたと。ヨーロッパではフィルターベントをみんな、主要国はみんな付けていました。このフィルターベントを高性能化して、万一の事故でも放射性物質をこし取って出さない。そして、このフィルターベントは今高性能になりました。一億分の一まで放射性物質を減らしています。そして、この技術はコロナ対策にも生かせるということが分かっていまして、昨年の参議院の予算委員会で紹介されております。
このフィルターベントが今各地の原発に据え付けられておりまして、この避難もフィルターベントがあれば五から三十キロ圏内は屋内退避になりますので、ずっとその原子力防災もやりやすくなると、対策がやりやすくなるということです。
それから、このフィルターベントによって原子力発電所のリスクが三桁下がりますので、このフィルターベント等の安全対策をしっかり取ることによって我が国の原子力発電所の安全対策は飛躍的に向上したということになります。
こういったことをしっかり御説明更にしたいと思います。
そして、あと御説明したいのは、この四象限の上のグラフです。
○会長(宮沢洋一君) 奈良林参考人、そろそろおまとめください。
○参考人(奈良林直君) はい、かしこまりました。
これは、今、ですから、世界で原子力をこれからもどんどん使っていこうという潮流が生まれているということです。欧州でも原子力が回帰して、原子力の世界の人々が数千人も集まっているという状況が、そして、中国でも原子力を使っていくという時代に入っています。
あとはちょっと時間の関係で割愛しますけれども、今、東工大でもSMRの研究を開発して、人材育成に努めております。
以上でございます。
○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。
次に、飯田参考人にお願いいたします。飯田参考人。
○参考人(飯田哲也君) 報告させていただきます。(資料映写)
私の方からは、今日の要旨は、気候危機、それから資源、本日のお題である資源エネルギー戦略のいわゆる一丁目一番地は、再エネの中でも特に太陽光と風力、そして省エネ、プラス、あとモビリティーの転換と、この三点だということで、それが、この後、図表でお見せしますが、電力とモビリティーについてはもう世界史的な破壊的変化というふうに、英語ではディスラプションと言うんですが、単にエネルギーが原子力や化石燃料から太陽光、風力中心にエネルギーの中身が替わるだけではなくて、産業構造も含めて根こそぎ変わると。
ちょうど一九〇八年にT型フォードが登場して、十年で馬車の時代が自動車の時代になったと。それから、一九九〇年代の初頭にインターネットが登場して、一気にもうまさに今日変わったと。それから、二〇〇七年にアイフォンが登場して、ガラケーの世界からスマホの世界になって大きく変わったと。
そういうような大転換がこの電力とそしてモビリティーで今起きつつあるということをやっぱり認識すべきなんですが、先ほど石川参考人が日本は遅れていると言うなと言っていましたが、残念ながら本当に遅れています。
そして、あと省エネに関しては、ちょっと今日余りお話をする時間ないんですが、少なくとも、今直面している新型コロナ禍からのグリーンニューディールとかより良い復興、ビルド・バック・ベターという話が日本ではもうどこか消えてなくなっちゃっているんですが、ヨーロッパがやっているリノベーションウエーブというのは非常に学べるんではないかということで一例だけ御紹介した上で、最後、ちょっとこれはかなり深い話になるんですが、日本は、新型コロナと原発、エネルギー政策、気候政策に共通しているのは、かなり機能不全というのがもうはっきり出ているので、そのレベルの見直しが必要ではないかという最後の提言、これはざっとレビューだけさせていただきます。
昨年、岸田首相もグラスゴーに行かれましたが、毎年恒例のように化石賞を見事に受賞してしまって、菅前首相がまさに文字どおりトップダウンで二〇三〇年マイナス四六%、これは当時経産省がどぎもを抜かしたというふうに裏では聞いておりますが、これは非常に、私はこのマイナス四六%のまさに首相からのトップダウンは珍しく非常に評価できるトップダウンではあったと思うんですが、ただ、そのマイナス四六%でも、国際的に見ると、まだまだ政策も、そしてそれを、あっ、その目標も不十分だし、それを実現できる政策も不十分だという評価で、ガラパゴスじゃないや、化石賞を受賞してしまったと。
一応、それを受けて、経産省が一生懸命作り上げた第六次基本計画で何とか数字のつじつまを合わせて、再エネ三二から三三だったっけな、で、その内訳を見ると、太陽光が大体ほぼ倍弱の、このグラフにあるような形で増やしていて、これも、今日の石川参考人、奈良林参考人のとおり、後で御報告しますが、現時点での太陽光は世界に三番目の冠たる太陽光大国なんですが、この先が非常に、非常にまずいんですが、風力は非常に、風力はほんのちょっとで、今日はちょっと風力の話は私は余りしませんけれども、ただ、残念ながら、この太陽光、まあ風力は何とか実現できるんじゃないかというふうに思いますが、むしろどうやって目標をもっと上げるべきかという話ですが、太陽光はこのささやかな目標も実は達成できないんじゃないかという、そのちょっと心配があります。
今日は資源エネルギー調査会ということで、世界のいわゆるエネルギージオポリティクス、エネルギー地政学が、今大きく常識が変わろうとしているということで、二年前ここにお呼びいただいたときも、このIRENA、国際再生可能エネルギー機関が、従来のエネルギー地政学というのは一言で言えば石油をめぐる国際政治だったと、しかし、もう今や再生可能エネルギーの中でも特に太陽光と風力中心に、その技術と市場を持っている国が今後力を握りますよというレポートをノルウェーの、誰だったかな、首相を中心に作った、「ア・ニュー・ワールド」というのが二年前の一月に出たレポート。今年は、更にそれを超えてグリーン水素が更にもう一つ大きくなりますと。ただ、グリーン水素の前提というのは、太陽光と風力で電気をつくらないことには水素ができないということです。
昨年もまた、太陽光、風力が、とりわけ太陽光は、また前年比二〇%増で百八十三ギガワット、一年間で増えて、累積で九百三十ギガワット。風力は、残念ながら、残念ながらというか前年よりちょっと落ちて、それでも大体七十ギガワットぐらい増えて八百四十ギガワットと。原子力は三百九十ギガワットということで、まあこれは発電量ではなくてあくまでも設備容量なんですが、発電量で見ても、太陽光は、ちょっとお手元のこの数字の、数字じゃないや、ワードじゃないや、このA4の文字にもあるように、太陽光はこの十余年間で、二〇一一年には僅か世界の電力の〇・四%だったものが十倍の四%、世界の電力の昨年は四%を供給するまでに至っています。風力は、十余年前の二〇一一年で世界の電力の二%だったものが昨年で六・四%、合計で一〇%超えました。つまり、二・四%から一〇%へ、十年間で五倍増と。
これも、先ほど石川参考人から、電力とかエネルギーの供給はそう変わらないんだよというのが確かにこれまでの常識でしたが、その常識を打ち破ろうとしているのがこの太陽光と風力、プラスこの後出てくる蓄電池です。
それはなぜかというと、コンピューターとか液晶テレビと一緒なんですね。この太陽光と風力と蓄電池というのは、いわゆる技術学習効果によって、作れば作るほど性能が良くなって安くなる。だから、安くなるから普及して、また性能が良くなって安くなるという、このすさまじい勢いが先ほど文字どおり言うところの破壊的変化です。太陽光はこの十年間で十分の一のコストになったんですね。風力は十分の三のコストになった。原子力は高くなる一方でですね。ということで、しかも、私、元々原子力を学んで原子力産業に勤めて、原子力の規制にも関わって、あとはこの再エネの分野に入ったのが三十年前ですが、その頃太陽光と風力がこんなに中心になるとは三十年前は想像もしませんでしたけど、三十年前どころか十年前でも太陽光は高くてどうしようもない、だからFITが必要なんだと。今でもFITは必要なんですが。今や太陽光と風力がワンツーフィニッシュで一番安いエネルギー源になったと。
こんな日が来たというのはもう本当に驚異的な時代で、この小さいグラフを見ていただいたら分かりますが、その落ち方は、これは化石燃料と比較をした過去七十年間の、石油ショックとかリーマン・ショックで下の方でうにゃうにゃと化石燃料の価格が、今も若干高騰してまた落ちたりしますが、空から隕石が落ちてくるようなペースで価格が落ちてきているわけですよ。こういう変化で今世界が変わろうとしていると。
リチウムイオン電池も過去三十年で九七%コストが落ちているんですね。百分の三ですよ。これで吉野さんがノーベル賞、誇るべき、取りましたし、まさにこのリチウムイオン電池、日本が今誇るべきで、最後に、頑張っている、今パナソニックが世界第三位で頑張ってはいますが、テスラと組んでですね。ですから、十年前には想像できませんでしたが、世界のほとんど主要機関、IEAも含めてですね、これからの中心、まさに太陽光と風力が大半のエネルギーを二〇五〇年に向けては賄っていくんだというシナリオに変わったんですね。十年前はこれ考えられなかった。つまり、専門家とか、いわゆるオーソドックスなエネルギー会社とかは、十年前はこんなことはもう鼻で笑っていましたが、今は常識が完全に変わったと。そのことをまず皆さんには認識していただきたい。
一方で、原子力はどうかというと、ずっと私も原子力やっていましたし、奈良林先生もいらっしゃいますが、期待は大きいけれども、今もSMRとか、いろんなことごちゃごちゃ、いろんな声が聞こえてきますが、現実は無残な惨たんたるものですね。今世界に四百十五基原子力がありまして、それの平均寿命が三十一年です。これまで百七十基の原発が廃炉になりましたが、廃炉になった原発の平均寿命は二十七年です。
かつて原子力が大量に造られた時代というのは、日本もそうですが、一九七〇年代と八〇年代です。ですから、もうほとんどが老朽原発で、今新規の原発は中国がかなり多いですが、せいぜい年間五、六基です。原発のいろんなリスクに目をつぶったとしても、これから何が起きるかというと大量廃炉時代です。大量廃炉して、あとちょぼちょぼ造ったとしても、この右上の図にあるように、世界の原子力の総発電量はこれから急速に下がっていきます。プラス新規の原発を造ろうとしても、これは確実に、過去のデータですが、アメリカとフランスのこれまでに造った原発は、さっきの再エネの太陽と風力と逆に、造れば造るほど高くなってきていると。それはなぜかというと、規制がどんどん厳しくなるからですね、安全規制が。しかも、どんどん規制が厳しくなるから巨大化して、そしてどんどん複雑になるからです。
今ヨーロッパで造っているイギリスのヒンクリーポイントC、それからフィンランドのオルキオルト三号機、そしてフランスのフラマビル三号機、これはもうほとんどカオスの状態で、何がカオスかというと、コストが何倍にも上がると同時に、本当は、例えばフィンランドで言うと、二〇〇五年に造り始めて、二〇一〇年に、もうフィンランドの国会を二分して造る方向になって、二〇一〇年にはできるはずが、実は今、今日現在もできていないんです、まだ完成していないと。まるで六ケ所再処理工場みたいです。来年にはできますといって、来年になったらまた来年にはできますという、砂漠の蜃気楼のようにいつまでもできないというですね。だから、原子力は、まず高い安いでいうと明らかに高いし、しかも元々言った値段よりもっと高くなる、しかも、いつまでにできますといったその期限が守らずにいつまでもできないというもうほとんどカオスの状態です。
太陽光の話に行くと、確かに太陽光、私、REN21という二〇〇四年にドイツを中心にできた世界的な再生可能エネネットワークの運営委員をずっと務めておりますが、そこの最新データで日本は確かに世界第三位と、これは一昨年の末、二〇二〇年の末ですね。ここまではいいんですが、ただし光と影があると。光は、今世界第三位の累積のPV設置量。しかも、ほかの再エネ市場、風力を中心にでき始めたと、これは非常に大きな成果ですが。
ただし、影、負の連鎖、これは先ほど石川参考人もおっしゃいましたが、ただ、これはどこからきているかというと、完全に経済産業省を中心にやった制度設計の失敗です。
その制度設計の失敗の中心中の中心は何かというと、日本は、FITは、元々私が一番ドラフトを作ったのは一九九九年なんですが、そこから十一年掛かって、福島原発事故のあおりを受けて、二〇一一年に成立して、その後詳細に制度設計されて、二〇一二年から施行されました。日本は、二〇〇〇年に導入していれば世界でほとんどトップランナーの制度設計だったので、そのままでやれば確かにいろんな失敗はあっても仕方がないのですが、その後、その間に世界各国にFITは広がって、日本はほぼ世界で最後に導入しました。百か国この間に導入したんですね。
その間に、イタリアの失敗とかスペインの失敗とか、もう世界各国いろんな失敗があったんですが、しかし、日本が最後に導入したFITの中で唯一最大の失敗をしたのは何かというと、設備認定というその認定を与えられた年の価格、二〇一二年四十円、翌年は三十六円、次は三十二円と、この三つが最大の問題なんですが、それをそこで固定をするというのは、これ、世界百か国、FITを導入した国の中で日本だけなんです。
これ、極めてデリケートに慎重に制度設計しないといけないものを経産省はそこは世界各国に学ばずに乱暴に入れちゃったので、それが結局、これはもうかるといって申請ラッシュで電力会社の系統に非常に、系統そのものは実はあるんだけど、電力会社がびびって閉じちゃったとかですね。で、国民負担はもう確かに大きくなったんですが、このグラフを見ていただいたら分かりますが、三分の二が、五分の三ぐらいですかね、この三か年の太陽光なんですよ。これが最大の問題です。
ちなみに、この賦課金が高い高いといっても、確かにこの三か年は無用に高いんですが、注意しないといけないのは、二十年を越すとその賦課金は消えてなくなって、その後電源だけは残るんです。太陽光は二十年で撤去することはないので、三十年は楽に使えますし、実際には四十年とか使えますから。ドイツは実際にもう二〇二〇、だから去年、おととし辺りから賦課金はどんどん下がってきています。それは二十年経過するとどんどん下がるからです。それが非常に重要です。
その他、自然破壊とかいろんな問題は、全てこの価格を最初に決めてそれが固着をしたということで大きな問題で、日本の最大の問題は、それに後追いで経産省も慌てていろんな、後から後からいろんな規制を入れたので、今政策自体がカオスになっていって、一昨年の新しい認定が僅かに〇・九ギガワットと。このペースでいくと、経産省のささやかな目標ですら実現できそうにないと。恐らくは、我々の試算では、多分四割増しぐらいが精いっぱいですね、これから増やせるのは。
一方で、中国は、先ほど二億五千万キロワットの太陽光を九億キロワットに増やすと。アメリカは一億キロワットを五・五倍、これサンショット計画というような形でやっていますし、ドイツは新しく成立した新政権の下で三倍速と、三倍に加速するんだと。今、二〇二〇年で、先ほど奈良林参考人の報告にあったように、四〇%の再エネ、これも実は二〇〇〇年に僅か、ああ、失礼、二〇〇〇年に僅か五%で、二〇二〇年に二〇%の目標がオーバーシュートして四〇%になったんですが、元々二〇五〇年八〇%を、三倍速して十年後に八〇%を再エネにするという目標に加速をさせる。その一環として、ドイツは今五十五ギガワットを二百ギガワットにするというふうに言っています。で、日本は、六十五ギガワットをせいぜい百二十ギガワットに経産省はすると掲げていますが、実際には多分八十から九十ぐらいまでしか行きそうにないというのが最大の問題です。
とにかく太陽光と風力をいかに増やすかということが重要ですから、もう圧倒的に高い国家目標を掲げて、この先の太陽光、風力はそんなにFITの賦課金は上がらないです、最初の三年間の失敗が一番大きいので。脱炭素と再エネの目標を非常に高くして、あと蓄電池も、この後見るように、時間があと五分ぐらいかな、加速させ、あとEV化ですね。で、再エネ最優先原則を徹底化しつつ、バックキャスティングでそれを再点検していくということで、ちょっと先がないので急ぎます。
先ほど、奈良林参考人の方からありましたが、もう世界の考え方が変わっているんですね。
それはどういうことかというと、原発とかをベースにしたベースロード電源というのは、これは古い独占的な電力市場の考え方で、もう太陽光と風力を中心にする、これを自然変動型電源といいますが、これは、柔軟性パラダイムという考え方で、その自然変動する太陽光と風力を柔軟に受け取る、系統がですね。
ということで、ほかの火力のバックアップというのも実はそうではなくて、実はここに電力の輸出入もあれば、市場もあれば、天気予報の、リアルタイムのAIを使った天気予報の予測であるとか、それから、需要側管理、デマンドレスポンスとか、様々な手法を駆使して自然変動型電源を吸収するということで、これも自動車の教習所と同じように第一、第二、第三、第四段階とありまして、日本全体は第二段階に入ったところで、系統に若干出てくると。
九州だけは第三段階に入っていると評価されていて、これも先ほど奈良林参考人の資料にあった、お話にあった、九州は特に春は需要が少なくて、原発四基動いていたら太陽光半分くらい止めるような、出力制御というより、これ出力抑制と私は呼んでいますが。そういったところをちゃんと水素に使うとか、水素に使う以前に、まだ九州なんて僅か一五%なので、デンマークとか南オーストラリアはこの自然変動型がもう六〇%に近づいても十分吸収しているんですね。つまり、柔軟性の知恵がまだ、知恵と技術が入っていないから問題で、小さな図でちょっと入れましたが、デンマークの風力はこんなに灰色みたいに変動するんですけれども、それは地域熱供給のコージェネも使ったり、あるいは、その熱を、熱に、地域熱供給の熱に風力の電気を変えたり、そして、さらには今水素を作ったりとか、やはり、風力、太陽光を中心に電力システム、エネルギーシステムをどうつくるかということで世界各国は競っているわけです。
政策の見直しも、今日そのFIT全体像を話す時間がなくて、さらにフィード・イン・プレミアムって新しい制度も入ってくるんで、ちょっとそこまではお話しできないんですが、二つだけ御提案したいのは、二つありまして、一つは、住宅用の太陽光、私の家にも付いていまして、この太陽光の発電と需要カーブ、私の家のカーブを取ってきたんですが、これ一律、今年から、この四月から十六円なんですね。それは私、やめた方がいいと思います。
その代わり何を入れるかというと、太陽光プラス蓄電池で昼間はただにして、ただ、買わないよと。夕方と朝は電気使うので、そこから逆潮流してくれれば高く買うよというふうにすれば、蓄電池の普及も一石二鳥でできるんですね。これは、実はハワイ電力がスマート逆潮流ということで導入して、今ハワイ電力の八割ぐらいが、もう太陽光プラス蓄電池が今急速に普及しています。
電力市場も昼間、赤のラインで書いていますが、例えば九州、これ九州のエリアプライスですが、太陽光が普及すると、電力市場価格〇・一円ぐらいになっちゃうんですね。それは太陽光がどんどんみんな売るからなので、その太陽光の売る部分を蓄電池にためて夕方放出すれば、これ電力にとっても非常に助かるんです。需給調整にとっても助かるし、市場の安定化にもつながると。そういう形でFITをもっと賢く使うと。
もう一つは、コミュニティー蓄電池、これオーストラリアで始まっているんですが、やはり蓄電池は家庭に入れてもいいんですが、コミュニティー単位で入れて、もうお隣近所で電気のお裾分けができるようなことを規制緩和をしていくということで、これも非常に効果的かなと思います。
それから、太陽光は高い、日本は、確かに安くはなった、相対的には日本でもどんどん安くなったんですが、ただ、世界各国から比べると高い。これは民間の努力も必要なんですが、国、規制側の努力も必要で、二つ事例を御紹介すると、アメリカはエネルギー省とNREL、国際再生可能エネ研が協力をして、ソーラーアッププラスということで、インターネットで入れると規制が、アメリカも自治体ごとに全部違ったりするので、二十四日間掛かっていた規制が半日で済むようになったというような形の規制の合理化、それから、電力の系統連系もすごく時間が掛かるんですけれども、これはハワイ電力がやっていますが、クイックコネクトと。住宅で太陽光を付けても問題は実際起きることはまずないので、実際にもう連系だけ始めて、書類作業は後からやってくださいということも始まっています。
それから、蓄電池が今バッテリーディケードと、蓄電池の十年という時代になってきていて、もはやEVがもちろんこれは市場を引っ張っているんですけれども、ここで見せているグラフは全部、電力定置型です。これから爆発的な蓄電池の市場が、EVとそして電力定置型でどんどん広がってきているので、日本はこの蓄電池を、上流側の風力、供給側に置く蓄電池と需要側の蓄電池、先ほどのような形でどう普及させるかと。
○会長(宮沢洋一君) 飯田参考人、そろそろおまとめいただけますか。
○参考人(飯田哲也君) はい、分かりました。もうあと一、二枚です。じゃ、これで。
それで、その蓄電池は、EVが大体九五%のマーケットで残りが電力市場なので、EVが圧倒的で、先ほど奈良林参考人がおっしゃったように、私も日本の自動車産業の行く末、非常に心配しているわけですが、それは決して電気料金のせいではなくて、やはり、まずテスラがすさまじいイノベーション力とスピード力があって、それにフォルクスワーゲンとかフォードが危機感を持って必死で追いかけようとして、中国は新しいスタートアップでやはり追いかけようとしているというその状況の中で、日本が非常におっとり型でかなり立ち遅れているという状況があります。
もう世界全体でも昨年倍増しましたし、ヨーロッパと中国も二〇%を超えて爆発的に普及すると。やっぱりテスラが非常に競争力というかイノベーション力があるので、これは、半導体、液晶、家電等に続く日本の自動車産業は本当に対応しなきゃいけないんですけど、私がこの国会の場で申し上げたいのは、それは産業政策として非常に重要なんですが、もう一つ、EV化と自動運転で社会全般に物すごく影響が大きいということです、雇用も含めて。これは、ドイツは……
○会長(宮沢洋一君) 飯田参考人、おまとめください。
○参考人(飯田哲也君) はい。
ドイツは、未来のモビリティーのためのナショナル・プラットフォームという委員会を二年、三年前に立ち上げて、雇用が大きく影響を受けるので、雇用の、再教育が必要だということを提言していますし、アメリカのアップジョン雇用研究所もメリット、これは自動運転ですね、自動運転のメリットがすごく大きいんだけれども、必要がすごくタクシードライバーとかトラックの運転手とかあるので、やっぱりその再雇用、再教育の場が必要なんだということがきちんと、単に自動車産業だけでも大きいんですが、社会全体の影響をきちんと検討した上で施策を打っていくというのがやっぱり政治の役割ではないかというふうに思います。
時間がないので、EUグリーンニューディールと、あと時間がないので、とにかく三千戸の既存の住宅に対してしっかり建物改修をしていくことによってエネルギー貧困とグリーンジョブを生み出すといった政策、あと、最後のこの政策決定の場が日本では非常に今劣化しているのではないかということで、それの提言を最後に二ページまとめていますが、これは省略いたします。
以上です。ありがとうございました。

 
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
参考人の皆さん、今日はありがとうございました。
石川参考人と奈良林参考人に伺います。
東京電力福島第一原発事故から間もなく十一年です。多くの人がふるさとを追われ、なりわいを失い、帰還困難区域が今も残されています。廃炉の見通しすら立っておりません。ほかの飛行機事故や自動車事故とは異なり、原発事故によって放射性物質が外部に広がればそれを完全に抑えることはできない、空間的、時間的、社会的に限定することが不可能だという、そういう異質の危険を持っていると思います。そのことについてどのようにお考えか、お聞かせ願えますでしょうか。
○会長(宮沢洋一君) それでは、まず、石川参考人。
○参考人(石川和男君) 山添先生、どうも御質問ありがとうございます。
福島の事故は原子力事故、放射能漏れということで、これはまさに、ほかの工場の事故でありますとか航空機、自動車事故とは全く違うものであるというふうに思います。私は、これについては、これはこれで放射能漏れというものを、今回のものを教訓として、こういった事象が起きないような安全対策を講じて、そして前に進んでいくべきものと考えております。
日本の、人類の歴史、産業革命以降ですね、特に、そういったものを考えますと、やはりリスクとメリット、そういうものを勘案しながら、技術の進展、そういったものを仰ぎながらやってきたということからしますと、原子力事故であろうと火力の爆発事故であろうと、それから航空機事故、それから自動車事故、いろんなそういうアクシデント、リスクというものに対して対応していきながら発展していくべきものであるというふうに私は考えております。
以上です。
○会長(宮沢洋一君) 次に、奈良林参考人。
○参考人(奈良林直君) 福島の事故は、本当に原子力に携わる者として痛恨の極みでございます。
一つは、先ほど申し上げたように、規制が、危ないところをあぶり出す、そしてそれを抑え込む規制をやっていなかったと、書類検査をやっていたということ。そしてあと、今、私の資料の三十二ページから三十三ページ、なぜ放射性物質が外へ漏れちゃったか、そして、なぜそれを、ヨーロッパで設置されていたフィルターベントを設置していなかったか。これは原子力安全委員会が、平成十七年かな、フィルターベントの設置を強く望むという声明を出しているんです。それを今度は、規制側である原子力安全・保安院、それから電力会社がそれに従わなかった。なぜかというと、反対派の方々は、そのフィルターベントを付けろと言うと、じゃ、事故を起こすんだなと。この電力会社の人は、いや、事故は起こしませんから付けませんと、こうなってしまった。これが安全神話なんです。
私も講演会で同じ質問を、原子力に対して慎重な立場を取る方々からそういう質問を受けております。ですから、私は、不幸の原因というのは、原子力を進めるか止めるかを二項対立にしてしまって、本来、原子力発電所の安全性をいかに高めるかという議論がなされていなかったということに私は根本的な問題があると思います。
福島の事故の後は、今、フィルターベントは全国の発電所に設置されています。ですから、万一の事故、万々が一の事故に遭っても、防潮堤だとか注水ポンプとかたくさん付けています。それも前段否定といいまして、深層防護の観点では、それが作動しなかったことも考えてくださいということになるとフィルターベントを設置すると、そして、フィルターベントによって放射性物質をこし取って、地元の汚染が生じないようにするという対策が既に日本の発電所で取られているということがほとんどの国民に伝わっていないんですね。
ですから、そういう安全対策が取られた上での再稼働が今実施されていますし、それから、加圧水型原子炉では特定事故重大対処施設の中にそういったフィルターベントを組み込まれていると。一応、原子力規制委員会のホームページには特定重大事故対処施設はどういうものを備えなさいというポンチ絵が書いてありますが、その中にフィルターベントも入っています。
ですから、これ機微事項で、テロ対策は機微事項で詳しいことがお話しできないということで、余りマスコミに話題になっていないんだと思うんですが、既に日本の原子力発電所は、事故を万一起こしたとしても放射性物質をまき散らさない、もう二度とそんなことはしないという固い決意の下にフィルターベントが設置されているということでございますし、これは先ほど御指摘がありました日本機械学会のフィルターベントワーキンググループというのを組織しまして、何十人の委員の方とディスカッションをして、そういったスペックを決めて、日本の発電所に世界で初めて小児甲状腺がんの原因物質である有機ヨウ素も取れるフィルターを追加したというのが我が国の原子力発電所でございます。
それだけの対策を取っているということを是非御理解いただくとともに、先ほど委員の先生から御意見がございましたが、これを国民の皆様にしっかりお話しできる、説明できる場を何とか設けていただきたいというふうに思います。私一人だけではとても足りませんので、何百人、何千人、いろんなところで、先ほどの東海村の例も非常に参考になりました。原子力発電所を反対、推進とそういう立場ではなくて、いかに我が国の産業を強化する、そして国民の命を守るか、経済を守るか、そういう観点でのディスカッションは非常に大事だというふうに思います。
以上でございます。
○山添拓君 ありがとうございます。
私は、原発と人類社会との共存が可能かどうかということが根本的には問われるべきことではないかと思います。
飯田参考人に伺います。
脱炭素化については、大きな社会経済システムの転換が必要となります。特に日本を中心に、まあ日本だけではありませんが、世界的にも九〇年代以降、新自由主義的な政治の下で、目先の利益を拡大する、あるいは株主利益を最大化する、それを目指す余りに省エネや再エネのような中長期的な投資よりも短期的な利益を確保する、そういう要求に追われて、金融投機やリストラによるコストの削減が進められてきました。
今求められている気候危機の打開というのは、格差と貧困を正すことと一体に行われるべきだと私たち考えます。社会経済システムのこうした意向に際して、目先の利益さえ上がればよいと、そういう在り方を正して、石炭火力利益共同体あるいは原発利益共同体、そういう呼び方もされてきましたが、そういうこれまでの既存の利益に固執する、そういう抵抗を排除していくことは不可欠だと思うんです。そのために政治には今何が求められているとお考えか、お聞かせ願えればと思います。
○参考人(飯田哲也君) 御質問ありがとうございます。
まさにおっしゃるとおり、グローバル的には確かに、一九九〇年代、私スウェーデンにいて、ちょうどその再エネ普及政策のディスカッションがあって、日本よりも民主主義的には、何というか、進んでいるというか、とはいってもEUの事務局はかなり新自由主義的で、再エネの普及策としてもクレジット取引というイギリスが進めていた方策を支持していて、一方で、大陸、特にドイツを中心に固定価格買取り制度がいいんだという、やっぱりEUでもそういうイデオロギー的なバトルがあって、結果として、各国自由にやれということになった結果、二〇〇〇年代に固定価格の方が圧倒的にメリットがあったので、雪崩を打って、RPS、クレジットクオータ制を導入したところはどんどんどんどん変わっていったという歴史を今思い出しました。
そういった中で、特に固定価格買取り制度が、ドイツが同時にやったのが、やっぱり地域に根差した形のエネルギー協同組合であるとか、あとシュタットベルケ的なエネルギーの自治みたいなものが非常に進んだんですが、この十年間に来て、またそれが、これまでの固定価格買取り制度から入札制度、さらにフィード・イン・プレミアムという非常にだんだん複雑な制度になってきた結果、エネルギー協同組合的なものが物すごく激減をしてきました。
そこは、本当にいわゆる非常に大きなイデオロギーとしての新自由主義ともうちょっとコモンズ的なものが制度論に下りてきて、そういった違いになってきていて、で、日本の場合、経済産業省とその周辺の学者の方々はもうちょっと、何というか、素朴な新自由主義の方が多くて、だから、固定価格買取り制度は最初まさに政治的なイニシアティブで導入されて、まあ幾つか制度失敗がありましたが、その後価格が上がったということで強引に入札を入れて、我々地域の御当地参加型のエネルギーをサポートしていますが、そういったところはほとんど今参加できなくなってきています。
そういった形で、これからもやはり太陽光と風力を中心に再エネを圧倒的に増やしていく必要があるんですが、やっぱりその中心はやっぱり地域の人たちの、しかも参加型であるべきで、それを軸にした制度設計をきめ細かくやっていくと。土地の利用も含め、それから環境アセスメントもほとんど形骸化していて、風力も太陽光も環境アセスは入ったんですが、あれはもう完全に事業者と県とが勝手にやるようなところがあって、関係者がやるところがあって、やっぱり戦略的環境アセスで、撤退もあり得る事業者だけと、事業者と行政だけではなく、やっぱり住民参加。で、あとデンマークなんかは風力とか、まあ太陽光は少ないですけれども、地域の人たちが資本金の一五%を出すという法律が例えばあるわけですね。
そういった、やはり地域の人たちが再エネを、やっぱり土地も景観も全て地域の資源なので、しかもそれは大事なコモンズですから、それを前提としつつ普及を促していく制度をやっぱり丁寧につくっていくということが求められているんではないかというふうに考えております。
○山添拓君 ありがとうございました。

 

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