山添 拓 参議院議員 日本共産党

国会質問

2023年・第211通常国会

井野防衛副大臣 放置許されない 「お中元配布」疑惑を追及/司令部地下化 自衛隊6施設 追及で判明

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
四月二十三日号のしんぶん赤旗日曜版が井野防衛副大臣の新たな疑惑を報じております。二〇一七年の衆院選前、選挙区内でお中元を配っていたという疑惑です。
編集部が入手したのは、副大臣の事務所が作成をした、平成二十九年夏、季節の御挨拶というリストで、表題に伊勢崎とあります。副大臣の選挙区である群馬県伊勢崎市を示すものと思われます。相手先欄には、伊勢崎市選出の県議や市議、女性部など、所属や肩書とともに名前が記され、JとかBという記号もあります。Jはジュース、Bはビールということのようです。そして、贈物欄には、六月から七月にかけての日付と、ビール、ジュースといった品物の記載もありました。
防衛副大臣に伺います。井野事務所でこうしたリストを作っていたのですね。

○防衛副大臣(井野俊郎君) 赤旗の記事については私も確認をさせていただきました。しかしながら、いずれにしても、全て黒塗りというところもありますし、まあ出所不明で、私にとっては出所不明でございますので、このリストが事務所で作成されたものかどうかということは確認が取れません。
以上です。

○山添拓君 確認していただけますか。

○副大臣(井野俊郎君) 黒塗りでございますので、これ以上確認はしようがないかと思います。

○山添拓君 日曜版の編集部は、同時期の井野事務所のスケジュールも入手しました。
リストと照合しますと、贈物を届けたとされる相手先の名前と日付の多くが、スケジュールにある訪問日程に書かれた人物名、日付と一致しました。例えば、一七年六月二十五日のスケジュール表は、群馬での行動予定欄に、A会長、B副会長、これ実際には実名です、場所はA会長宅とあります。贈物リストの同じ日の欄にはA氏とB氏の名前があり、品物はジュースとなっておりました。
選挙区内の有権者にお中元を渡していたというのは事実ですか。

○副大臣(井野俊郎君) 事実ではございません。

○山添拓君 リストやスケジュールに記載された有権者を取材しますと、一七年七月、井野さん本人から箱に入ったジュースの詰め合わせをもらった、当時は井野さんの後援会の役員をしていたからだと思う、あるいは、井野さんから贈物を受け取ったことがあると複数の方が証言しております。
副大臣の答弁と矛盾しますけれども。

○副大臣(井野俊郎君) どなたがどうおっしゃられたのかはちょっと私も確認のしようがございませんけれども、まあ、その方がどうお話しされているかも含めてコメントしようがございません。

○山添拓君 証言をされた方の中には後援会の役員を退任した頃から贈物はなくなったという方もおられて、これはかなりリアルな証言だと思います。ビールは詰め合わせのギフトで三千円ほど、ジュースは缶の詰め合わせで約二千円、井野議員が自分の車に積み、秘書に運転させて地域を回っていたという関係者の証言もあります。
もう一度伺います。事実ではないんですか。

○副大臣(井野俊郎君) 事実ではございません。

○山添拓君 関係者によりますと、井野事務所では、後援会幹部や地方議員にお中元を渡すことが慣例となっていた、組織的に行われていたのは明らかだといいます。
公選法百九十九条の二で、現職の政治家や候補者が選挙区内の有権者に寄附をすることは禁止されます。刑が確定すれば当選無効となり、原則として五年間公民権停止です。しかも、当時、副大臣は法務政務官の在任中でもありました。
このリストは、編集部がデータとして入手したものです。プロパティーを見ますと、作成者は衆議院、前回保存者は井野俊郎事務所となっておりました。副大臣の国会議員会館の事務所の官物パソコンで作成されたと考えられます。確認いただけませんか。

○副大臣(井野俊郎君) いずれにしろ、出所不明でございますので、確認しようがございません。

○山添拓君 いや、事務所のパソコンを副大臣御自身が、過去のデータですから、まだ残っているものあるかと思いますので、確認いただけませんか。

○副大臣(井野俊郎君) 出所不明でございますので、確認しようがございません。

○山添拓君 いや、出所不明ではなく、私、今述べましたように、プロパティーを見ると、衆議院で作成、前回保存者は井野俊郎事務所と、こういうふうになっているんですね。
ですから、そういうものがあるかどうかということを、副大臣御自身が事務所のパソコンを、まあ秘書の方に頼まれてもいいと思いますけれども、確認されたらいかがですか。それを否定されるのはなぜですか。

○副大臣(井野俊郎君) 何の文書かよく分かりませんので、こちらとしては確認しようがございません。

○山添拓君 それでは、私どもが入手しているものについて副大臣のところにお届けをしましたら、それを基に確認いただくことはできますか。

○副大臣(井野俊郎君) いずれにしても、出所不明の文書については確認しようがございません。

○山添拓君 いや、ですから、るる御説明をしましたように、証言もあるんですね。そして、リストがあり、スケジュールとの一致があり、有権者からの証言があり、事務所関係者と思われますが、関係する方からの証言もあるんですね。出所不明どころか、十分その疑惑があると思うんですよ。
御自身で確認をされるおつもりはないですか。それでもなお拒否をされますか。

○副大臣(井野俊郎君) 確認しようがございません。

○山添拓君 確認する気がないというだけでしょう。
委員長、副大臣においてリストを確認の上、当委員会に提出するよう求めたいと思います。

○委員長(阿達雅志君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。

○山添拓君 井野副大臣については、昨年、統一協会の関係者に後援会をつくらせていたことが明らかとなりましたが、そのことを党の調査では報告せず、副大臣任命後も存続をさせておられました。また、秘書や親族が選挙区内の有権者に香典を配っていた公選法違反の疑惑も指摘いたしましたが、選挙区外だという言い逃れに終始されました。そして、今度は、直接選挙区内の有権者にお中元を渡していたという公選法違反の疑惑です。
防衛大臣に伺います。
副大臣は、大臣が申し出て内閣が任命する立場にあります。この疑惑にまみれた井野氏を今後も副大臣に据えておかれるおつもりですか。

○防衛大臣(浜田靖一君) 御指摘の点については、個々の政治活動に関わる問題でありますので、それぞれの政治家がしっかりとこの責任において説明すべきものと考えております。
いずれにしても、井野副大臣には引き続き副大臣としての職務に励んでいただきたいと思います。

○山添拓君 いや、大臣、しかし、今、私が指摘をしたような、あるいは昨年来この委員会でも指摘をしてきたようなことが事実だとはっきりしていれば、大臣自身、井野氏を副大臣に申し出るということはなかったんじゃありませんか、そうした過去が明らかであったとすれば。ですから、過去の政治活動のことだからといって、そのままにしておくことはできないんじゃないでしょうか、大臣。

○国務大臣(浜田靖一君) 今申し上げたとおり、本人の政治活動についてのことでありますので、その点についてはしっかりと説明をしていただきたいと思いますし、我々とすれば、今後もこの副大臣には職務に励んでいただきたいと考えております。

○山添拓君 井野副大臣、大臣から、しっかりと説明していただきたいという答弁でしたよ。出所不明だといって調査もしないということではいけないんじゃないですか。

○副大臣(井野俊郎君) いずれにしても、こちらが今把握している中での御回答といいましょうか、御答弁申し上げているところでございます。
この出所不明のリストについては、こちらも確認しようがないということでございます。

○山添拓君 副大臣としての資格が問われるような疑惑を幾つも抱えながら、御本人はまともに説明もされず、責任を取ろうともされない。これを岸田政権がこのまま放置することは許されない問題だと考えます。その点を指摘しておきたいと思います。
それでは、残りの時間で、安保三文書の一つ、防衛力整備計画に基づいて進めようとしている自衛隊施設の強靱化について伺います。
資料をお配りしております。四枚、冒頭の四枚ですね。今年度予算における具体的な箇所付けと事業内容、事業額をリスト化した防衛省の資料です。その総額は五千四十九億円分と伺いました。
資料の五枚目になりますが、②という資料があります。施設の強靱化の内容として、武力攻撃などへの抗堪性の向上を含むとされています。
防衛省に伺いますが、今年度の予算で抗堪性の向上のために整備するのはどの施設になるでしょうか。

○防衛省 大臣官房施設監(杉山真人君) お答えいたします。
防衛力整備計画におきましては、施設の強靱化事業費として五年間で四兆円を見込んでおり、五年間集中して実施していくこととしております。
抗堪性の向上のために司令部の地下化等に必要な経費として〇・二兆円を見込んでいるところでございます。

○山添拓君 その今指摘をされた抗堪性の向上のために予算を付けていくという施設は具体的にどこの施設かということを、今年度予算で行っていこうとするところですね、これをお示しいただけますか。

○国務大臣(浜田靖一君) 令和五年度予算においては、施設の強靱化として五千四十九億円を計上しております。このうち主な事業として申し上げれば、陸上自衛隊における佐賀駐屯地に係る、これは新設でありますが、施設整備として千六十八億円、海上自衛隊における佐世保、崎辺東地区の、仮称でありますが、の施設整備として四十一億円、約四十一億円、航空自衛隊におけるF35A、B受入れ整備費、施設整備費として約百五十二億円を計上しておるところであります。

○山添拓君 大臣が今答弁されたのが、抗堪性の向上を目的とした整備の内容ということですか。

○政府参考人(杉山真人君) お答えいたします。
令和五年度予算におきましては、自衛隊施設の抗堪性向上に係る施設整備に要する経費として約三百六十四億円を計上しているところでございます。

○山添拓君 先ほどからお尋ねしているのは、金額ももちろん大事ですが、それをどの施設で進めていこうとされているのかということです。

○政府参考人(杉山真人君) 令和五年度予算で計上している抗堪性の向上を図る施設整備の中で、主要な司令部の地下化に係る経費について申し上げますと、健軍駐屯地、那覇駐屯地、那覇病院、新田原基地、築城基地、那覇基地の整備予算を計上しているところでございます。

○山添拓君 この配付資料の②を見ますと、抗堪性向上の内容には、CBRNEに対する防護性能の付与が挙げられております。CBRNE攻撃とは、化学、生物、核、爆発物等による攻撃のことだと伺っています。
CBRNEに対する防護性能の付与を行うその対象施設はどこですか。

○国務大臣(浜田靖一君) 安全保障環境が急激に厳しさを増す中で、防衛力の持続性、強靱性の基盤となる自衛隊施設の必要な機能を確保することは重要だと認識をしておるところであります。
昨年十二月に定められた防衛力整備計画においても、主要な装備品や司令部などを防護した上で、粘り強く戦う態勢を確保し、爆発物、核、生物、化学兵器などに対する防護性能を付与することとされております。
このため、自衛隊が保有する施設について、施設の機能や重要度に応じ、化学、生物、放射線物質、核など、いわゆるCBRNEを含む各種脅威に対する防護性能を付与することとしているところであります。

○山添拓君 ですから、その機能や重要度に応じて、CBRNE攻撃に対する防護性能を付与していこうとする対象となる施設はどこかと伺います。

○政府参考人(杉山真人君) 先ほど答弁が大臣からもございましたが、あくまで施設の機能や重要度に応じて個別に判断していくということでございます。

○山添拓君 いや、その個別の判断の結果として、CBRNE攻撃への対応が必要と判断し、整備をしていこうとしている施設はどこになるんでしょうか。

○政府参考人(杉山真人君) 具体的にどの施設にどういった能力を付与するかということをお示しするとその施設の能力というものが明らかになるので、従来から差し控えさせていただいております。

○山添拓君 いや、これは、これから多額の予算を付けて強化していくというわけですね。さっき軍拡財源についてのお話もありましたけれども、その使い道の問題であり、また、こういう対応が必要だということは書いているわけですから、例えば、壁を厚くする、地下化する、フィルターを設置するなど強靱化を図るということを言われています。
どの施設でCBRNE攻撃への対応を想定した工事を行うのか。これは委員会に提出を求めたいと思います、委員長。

○委員長(阿達雅志君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。

○山添拓君 大臣に伺いますが、CBRNE攻撃への対応のために強靱化を進めていくということは、化学兵器や生物兵器、核兵器による攻撃がされる、そのようなシミュレーションも行っているということなんですね。

○国務大臣(浜田靖一君) 国家防衛戦略においては、国民の命と平和な暮らし、そして我が国領土、領海、領空を断固として守り抜くことを我が国の安全保障の根幹としております。
そして、防衛力整備計画では、国家防衛戦略に従い、自衛隊施設の強靱化等によって、我が国への侵攻が生起する場合には、これを阻止、排除できるよう防衛力を強化し、粘り強く戦う姿勢を確保していくこととしております。
こうした防衛力の抜本的強化に向けた取組の目的は、あくまで力による現状変更やその試みを許さず、我が国への侵攻を抑止することにあり、防衛力の抜本的強化により武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えており、施設近辺住民を含む我が国国民の安全につながるものと考えております。

○山添拓君 いや、全然お答えいただいていないんですよ。
大臣は、極めて現実的なシミュレーションを行ったと繰り返し答弁されてきております。そして、シミュレーションを行った結果としてこのような整備が必要だとされているわけですから、CBRNE攻撃も想定したシミュレーションを行ってきたのだと、こういうことでしょうか。

○防衛省 大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官(上田幸司君) お答え申し上げます。
国家防衛戦略におきまして、まさに委員御指摘のように、必要な防衛力の規模、能力、それを見極めますために様々シミュレーション等を繰り返して行ってきたところでございます。
そういった中で、自衛隊の活動、これを支える基盤としての施設、これの抗堪性、強靱性、これが必要であるというふうに認識しているところでございます。
委員御指摘のような、いわゆるCBRNE攻撃、核、生物、化学兵器など、様々な攻撃の態様がございますけれども、そういったもの様々含めましてどのような自衛隊の対応が必要か、これに基づきまして、自衛隊の施設の基盤の強化、これを今回七つの柱の一つとして規定させていただいたところでございます。
その上で、委員が御指摘の、どの施設がどのような防護施設を、防護機能を持っているかということにつきましては、まさに我が方のこの性能、対処のための能力を明かすことになりますので、これについては控えさせていただきたいと考えております。

○山添拓君 敵基地攻撃能力の保有を始めとして大軍拡と一体に行われる強靱化です。日本が軍備を拡張し、緊張関係を更に高めるからこそ、攻撃される危険も高め、そうした事態を想定しなければならないということになっているんだと思うんですね。
資料の③、お配りしております。先日、今度の強靱化の対象施設の一つともされている北区の十条駐屯地の周辺を訪れました。戦前、北区は軍の施設が密集し、区の面積の一割を占めるまさに軍都でした。米軍の標的となり、十二回の空襲で五百四十五人が亡くなり、三万二千棟が被災したといいます。戦後は米軍に接収されたものの解放され、都営住宅や特別支援学校、図書館やスポーツ施設もつくられました。本来全て解放されるべきでしたが、一九五八年に自衛隊が入り、陸海空自衛隊の補給統制本部や補給本部が置かれています。兵器調達など、全国の自衛隊の兵たんの中枢と言ってもよいところです。市ケ谷と同じ通信施設もあります。
日本がミサイル攻撃を行えば報復の対象となることも十分考えられる場所です。核攻撃への対処などと言いますが、そこに住む人のことは考えられていないと地域の皆さんから不安の声が上げられるのも当然だと思います。
大軍拡そのものをやめるべきだということを改めて指摘をし、質問といたします。

ページ
トップ